This is Why I Write.

備忘のために書き残します。

【バスケ】NBAファイナル2019展望

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東西の王者が決まり、明日からNBAファイナルが始まる。

西は予想通りウォリアーズ。5年連続のファイナル進出だ。ファーストラウンドでカズンズが怪我、セミファイナルでデュラントが怪我、セミファイナル第5戦以降はこの2人抜きでの戦うことになったが、盤石の強さを見せて6連勝。カンファレンスファイナルではブレイザーズを寄せ付けなかった感がある。ブレイザーズも主力の怪我や、センターのエネス・カンターが宗教の都合で断食と、本調子とは程遠かったとはいえ、ウォリアーズは流石の強さを見せた。僕としては、デュラント抜きのウォリアーズを観れた嬉しかった。僕がサンフランシスコにいた時(2014-2016)のウォリアーズは、カリーやトンプソンがあるとはいえ、チームプレーで圧倒的な強さを見せるチームだった。そのウォリアーズを久し振りに見れて、懐かしくなった。ファイナルではデュラントが戻ってくるらしいが、デュラントが戻ってくることで失うものもあるんじゃないかと思ったりもする。

一方、東はレブロンレイカーズ移籍に伴い絶対的な優勝候補がいない中で、ラプターズがファイナル進出。シーズン前は、主力が全員揃うセルティックスがトップシードかと思ったが、予想外に苦戦した。プレーオフでもバックスにあえなく敗退。今シーズン、リーグ唯一の60勝を挙げたバックスがトップシードを取り、Greek Freakの愛称でリーグを席巻する今シーズンMVP候補のヤニス・アンテトクンポを中心に、圧倒的な強さを見せてきた。しかしスパーズからカワイ・レナードを獲得し、シーズン中にベテランのマークガソルを加え、若さベテランに加え経験もあるチームになったラプターズの前に一歩及ばず。プレーオフでのレナードの活躍は、攻守に渡り圧巻だった。終盤での勝負強さ、フェイダウェイショット、執拗なディフェンス、そして大きな手を生かした圧倒的なボールハンドリング。その姿を、ブルズ時代のマイケル・ジョーダンと重ねた往年のNBAファンも少なくないだろう。僕もその1人だ。個人的に東はラプターズを応援していたので、今回のファイナル進出はとても嬉しい。

ファイナルで焦点になるのは、やはりスモールフォワードのマッチアップだろう。スパーズ時代にレブロンを封じ、ファイナルMVPを獲得したレナードだが、その時よりも特にオフェンス面で大きく成長している。デュラントとのマッチアップで上回ることが、ラプターズ勝利の絶対条件といえる。また、ホームコートアドバンテージを持っていることも、これまでの激戦で削られてきた体力を考えると、大きなプラス材料。

これまでのプレーオフ同様、レナードが圧倒的プレーを見せ、2週間後には不動のリーグNo.1プレイヤーに君臨していることに期待したい。

【社会】川崎の無差別殺人について思うこと

昨日、川崎の登戸駅付近でスクールバスを待っていた小学生を狙った痛ましい事件が起こりました。この事件で2人の罪のない人間が命を落としました。また犯人の男も自らを刺し、死亡したということです。僕の姉が近くに住んでいて、登戸駅に行くこともあるので、とても身近に感じました。

10年前の秋葉原歩行者天国の事件や、相模原の障害者施設の事件、アメリカで多発する銃乱射事件など、凄惨な事件の犯人の共通点は何だろうか。

犯人達はどういう人生を歩んできた結果、このような行動を起こしたのか。計画的な犯行であれば尚更、これらの行動に対する原因があると思う。

僕が思うのは、誰もが承認欲求を持っていて、それがある程度満たされないと生きていけないということだ。社会から蔑まれ続けて生きていた結果、誤まった方法で承認欲求を満たそうとしたのかもしれない。

自己表現をする術を持ち合わせておらず、受け入れてくれる環境を欲していたのかもしれない。

殺人事件の犯人に同情など全くできないが、犯人を異常な人間として片付けるだけでは何の解決にもならない。場当たり的な対応だけでなく、このような人間を生み出してしまう構造について、考えるべきだと思う。

【書評】大前研一 世界の潮流 2019->2020

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まずこの本を手に取った理由は、第6章「新時代、日本はどうすればいいのか」という章を読みたかったから、という1点に尽きる。経営者、コンサルタント、教授など、さまざまな立場から日本と世界を見てきた大前研一氏が、今の日本をどのように感じていて、どうするべきと考えているのかを知りたかった。

 (著者はもうずっと前から言っていることらしいのだが)これからは国家の時代ではなく、都市(地域)の時代であるという。他の地域から「人、企業、情報、カネ」を集めることが出来る地域が、繁栄する地域の条件である。しかし、現状、日本の地方は国家から自治権(司法・行政・立法の三権)を与えられておらず、地方が独立して運営することはできない。国家は機能不全になっており、国家主導での経済対策には期待できない。著者は「道州制」を導入し、都市間の競争を助長することで、発展を目指していくべきだと主張する。尚、日本の地方経済は国家に匹敵する規模がある。各地方を一人当たりのGDPと人口で国家と比べると、首都圏はカナダ、関西は台湾、九州はベルギーに相当する。

 「道州制の導入による、地方国家へのシフト」が、大前研一氏が考える「新時代、日本はどうすればいいのか」に対する答えである。本書でも触れられているが、日本は危機的状況にあると言える。世界ワーストの政府債務残高(これは僕の卒論テーマであった)は、現在は国内の資金ファイナンスされているとはいえ、日本の経済規模がこのまま成長しなければ、それにも限界が来るのは時間の問題である。また少子高齢化問題も避けることのできない問題である。問題とは、少子化による労働者不足と、高齢化による年金・保険料の負担の増加だ。

 本書は非常に短いが、主に①平成時代(1989~2019)における世界の変化、②今の世界で何が起こっているか、③これから日本はどうするべきかの3点について上手くまとめられている。結果として、平成の30年間で日本は停滞し、世界に取り残されてしまった。それでもやり方次第では、まだ挽回するチャンスはあるということだろう。世界と日本の両方の視点から経済の状況について知ることが出来るので、読んでみるとよいと思います。

 

(本書を読んだ後のアクション)

・「人口動態を分析することで今後の展開がかなり正確に予想できる」(p.173)で述べているが、具体的にはどういった分析をするのかを調べる。

・「都市の経済」というテーマで調べる。まずは東京から始めて、アジア、ヨーロッパと調べる。

 

(余談)

東京に住み始めてから、都市について興味を持っていたので、大前研一氏が提唱する「地域国家論」にも、すごく興味を持った。大前氏のほかの本も読んで、もっと掘り下げたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【書評】なぜあなたの仕事は終わらないのか

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なぜあなたの仕事は終わらないのか。

この本を読もうとした理由は、正しい仕事のやり方を身につけて、毎日1秒でも早く仕事を終わらせて、家に帰って読書や運動をしたいからだ。

著者はMicrosoftでOSの開発をしていたエンジニア。なにしろWindow 95やマウスによるドラッグ&ドロップの仕組みを作ったというのだから、本当に優秀な人だ。

著者は仕事が終わらない元凶は全て「ラストスパート思考」にあると言う。見積もりが甘いことや、見積もりが出来ていないこと、また取り掛かりが遅く、最後に何とかなると言う考え方などが問題だという。本書で著者は、彼が今まで仕事をする上で徹底してきた「ロケットスタート仕事術」の方法を解説する。この仕事術のポイントは、「最初の2割の時間で8割完了」の状態まで持っていくことだ。この徹底した「2:8」の法則を意識することで、すべての仕事はうまくいくという。つまり、普通の人がするラストスパートでの頑張りを、最初の2割の部分で行うということである。

数カ月〜1年単位の中長期の仕事においてもやり方は同じで、細分化してタスクベースに分解し、それぞれのタスクを最初の2割の時間で8割完成まで持っていくこと徹底することが重要だと述べている。

これを実際に行うことは難しいだろう。しかし、最初の2割の時間で8割までもっていくことを意識することはできる。つまり、月曜から金曜の5日間で完了させるタスクがある場合、初日で8割までもっていくということである。

本書はただの仕事術の本ではない。最後の一章はやや自己啓発本チックになっている。著者がこの仕事術を読者に身に着けてほしいと考える理由を述べている。それは、「一度きりしかない人生で、本当に好きなことをやってほしい」から。つまり、「仕事術を身に付ける→早く仕事が終わる→好きなことに時間を使う→本当に好きなことを仕事にする」というサイクルを実現するために、この仕事術が存在すると言う。

本書は一番心に残っている言葉は、

「今やっている仕事の中で、本当にやりたい仕事につながる共通点を見つけ出せ。」

である。

なかなか今の仕事とやりたい仕事が一致している人は少ないと思う。そもそも自分のやりたいことは何かわかること自体が稀かもしれない。そのような状況で、今の仕事の中から自分が楽しいと思えること、夢中になれることを業務1パーセントでもいいから見つけてその糸を紡いでいくことが重要なのではないだろうか。

とはいえ、ある程度の時間がないと、そういった自己分析も仕事を楽しむこともできないはず。その時間を作るためには、やっぱりロケットスタート仕事術を身に着けて、余裕をもって仕事をこなす必要が出てくる。

 

【本書から学んだネタ】

・最初に2割の時間で、8割完了までもっていく。(=最初に頑張る)

・今やっている仕事の中で、本当にやりたい仕事と繋がる部分を探す。

 

 

【書評】Amazon 世界の最先端の戦略が分かる

 
アマゾンを知ること=これからの世界を知ること

本書はアマゾンが行なっている多種多様なビジネスについて、網羅しようとした一冊である。
アマゾンは秘密主義を貫いている会社で、情報があまり外に出てこないらしい。
(サーバ等の社内で使われているシステムも全て自社で作っている)
そんな中で、著者の成毛眞氏は沢山の情報を集め、この一冊にまとめた。
詳しい情報が明かされていない部分については、
集めた情報と経験に基づいて、著者が推測し解説をしている。
 
アマゾンという1つの企業が、今の世界にどれほどの影響を与えているかを説明する。
通販は楽天派!という人もいるかもしれないが、アマゾンはもはや通販会社ではない。
アマゾンと関わらず生活している人はいないのでないかと成毛氏は推測する。
企業はAWSのサーバを使い、小売はアマゾンのFBA(ネット通販のインフラを提供するサービス)や
マーケットプレイス経由でモノを売る。
個人はAMAZON PRIMEで音楽を聴いたり映画を見る。
アマゾンが提供しているサービスは多種多様すぎて(しかもどれも業界トップクラスも多い)
もはや何の会社か分からなくなりつつある。
 
ちなみに、CEOのジェフ・ベゾス氏は自らの会社をロジスティクス企業と呼んでいる。
ロジスティクスとは「兵站」であり、必要な物資を必要な場所に届けることを意味する。
顧客が求めるモノ・サービスを適時に且つ出来るだけ安価に届ける、
これこそがアマゾンが目指していることだろう。
 
設立以来アマゾンは、その為の投資を大規模かつ物凄いスピードで行ってきた。
なにしろ1997年に上場してから一度も株主配当を行っていない。
創業以来は大きな利益は計上せず、全て倉庫などの設備投資に費やしてきたのだ。
 
アマゾンの強みはこの設備投資と、また、それを可能にする莫大なキャッシュフローであるという。
今もアマゾンは利益が低いと言われているが、
それは設備投資に大金をつぎ込んでいるから。(配当はないが株価は堅調だ)
本書内のアマゾンのキャッシュフロー関連データを見ると、
投資から得たキャッシュを示す指標である投資キャッシュフローは、
2017年は約1兆円のマイナスであった。
つまり、アマゾンは2017年の1年間で1兆円もの新規投資を行ったのである。
 
世界中を探しても、年間1兆円の設備投資が出来る会社は他に存在しないだろう。
アマゾンと他者の差は開くばかりだ。
 
他を寄せ付けない物流システム、ITインフラ、購買データなど構築したアマゾンは、
それらの強みを生かして新たな業界に参入していく。
いわゆる「アマゾン・エフェクト」だ。
ナスダックには「アマゾンによる死者リスト」というのがあるらしい。
大量に空売りされている企業がこのリストに載る。
空売りされているということは、死が近いという意味なのだ。
 
ちなみに、私個人的にはラストワンマイル(配送センターから家までの距離)の競争で、
今後どのような展開があるのかに興味がある。
 
日本ではヤマト運輸の労働問題が取りざたされていたり、
配送料が上がったりと、諸々の問題がある。
そこにアマゾンがどうやって入ってくるのか。
ラストワンマイルもすべて自分たちでやるようになったら、
それは人手で?それともドローンで?
(都会で大量のドローンが飛んでいるのはあまり想像したくないが)
現状日本では、外部(ヤマトや日本郵政)を使った方が安上がりらしい。
人手不足による賃金高騰や技術の発達が、
そのバランスをどのように変えて行くかに注目したい。
 
「超国家的」な存在になった(そしてこれからもっと大きくなるだろう)
アマゾンが作り出すこれからの世界について知ることの出来る一冊だ。
 

(参考) ドローンによる配達実験↓↓

【書評】若い読者のための経済学史

本書は古代ギリシャ時代から現代まで、いかにして経済学が発展してきたかを、理論を生み出した思想家・経済学者とともに説明する。一通り読むことで、世界の発展に貢献してきた経済学の理論を復習することができる。

 

経済学って何だろう?という人から、かつて経済学を学びもう一度振り返りたい人まで、多くの人が楽しむことが出来る一冊だと思う。

 

40章構成になっており、各章はそれぞれの経済学者の考えがコンパクトにまとめられている。大学院等で経済学を修めている人にとってはやや物足りないかもしれないが、学部で経済学を専攻していた僕にはちょうど良かった。登場する経済学者がどのようにして、それぞれの考えを発展させ、世の中に広めていったのかに興味を持った。この本で得た知識を元に、原著にも当たってみたいと思った。

 

現代の経済学のイメージは、難しい数理や金融などかもしれない。しかし歴史を振り返ると、経済学者達はその時代の社会が抱える問題を解決するための理論を一所懸命考えていた。世の中の問題は一つではないし、時代によっても違う。だから、矛盾するような経済理論が存在してしまう。でも、その矛盾する経済理論はどれも何らかの形で世の中に貢献してきたのだ。 本書は以下のようなメッセージで締めくくられている。

 

歴史上の思想家が示した様々な答えをよく理解することによって、私たちは触発され、極端な不平等、金融危機地球温暖化といった、今日の経済問題に取り組むために必要な新たな考え方を導きだすことができるだろう。問題を正しく理解すれば、より多くの人が豊かな生活を送るチャンスを手にし、そうでなければ、多くの人が苦しむことになる。必要な食べ物や医薬品を手に入れられなくて、死ぬ人もいるかもしれない。これは、専門家である経済学者だけでなく、私たち全員の課題である。

 

これが著者の考える経済学史を学ぶ理由だ。

 

現代の経済学者だけでなく、皆が彼ら・彼女ら考えを学んで活かすことで、それぞれの世界を少しだけよく出来る。そして、それが少しずつ積み重なって、世界が良くなってゆく。

 

勉強になるし、面白いので一読をオススメする。

 

 

若い読者のための経済学史 (Yale University Press Little Histories)

若い読者のための経済学史 (Yale University Press Little Histories)

 

 

【書評】それをお金で買いますか 市場主義の限界

それをお金で買いますか 市場主義の限界
 
この本の著者は「これから正義の話をしよう(Justice)」で日本国内でも有名な、ハーバード大学教授(政治学)のマイケル・サンデル氏。
原書のタイトルは、
「What Money Can't Buy」(お金で買えないもの)だ。
 
本書を読んだきっかけは、たまたま市の図書館に置いてあったから。
今回は本屋で購入し、再読した。
最近はホリエモンやちきりんなど、市場推進論派の方々が書いた本をいくつか読んでいたからだ。
本書は昨今溢れているそのような市場主義擁護論に対して、疑問を投げかけている。
数多くの例を提示し、なぜ市場の規範に違和感を覚える場合があるのかを丁寧に説明している。
 
なので、市場の力を(理由もなく)信奉している方には是非読んで頂きたい。
なぜなら、著者によると市場の規範を取り入れることにより、腐敗してしまう財やサービスが世の中には存在するらしいからだ。
つまり、市場による効率的な価値の分配という利便性を妥協してまでも、守るべき道徳というものがあるということである。
それが本書のタイトルである「お金で買えないもの(What Money Can't Buy)」の意味するところである。
 
    自由放任主義は2種類の異論を招く。1つは強制と不公正にかかわるもの、もう1つは腐敗と堕落にかかわるものだ。(p.268)
 
本書で議論されているのは上記の2つである。
 
1つは市場社会において、強制的に取引せざるを得ない立場に追い込まれている個人による取引は、自由な意思に基づいているとは言えないのではないか、という趣旨の異論。
 
自由放任主義者は個人の権利として、その人が所有しているものは常に自由に取引するできる権利があると主張するだろう。
しかし個人が取引せざるを得ない状況に強制的に追い込まれているとすれば話は違ってくる。
またその状況下での取引を自由意思に基づいた判断と言ってしまうのであれば、根本的な問題(例えば貧困)が無視されてしまう恐れがある。
 
そしてもう1つは、本来市場で取引されるべきでないものを商品化し市場で取引されることで、道徳的腐敗を招く可能性があるという趣旨の異論である。
 
本書の例の1つとして挙げられていたライフセトルメント業界がその例だ。ライフセトルメントとは生命保険の買い取り事業だ。買い手は末期ガンなどで余命が限られた人の保険を買い取り、売り手は生きている間に使うことのできる現金を買い手から得る。双方に取って利益のある話であり、誰も文句は言わないかもしれない。しかし買い手は売り手が死ぬまで保険料を払い続け、そして死ぬことで、保険料を得ることができる仕組みだ。つまり買い手にとってこの取引がペイするか否かは、どれだけ早く売り手が死ぬかに掛かっている。買い手は心の中で売り手が早く死ぬことを願うのである。果たしてこの取引は道徳的にいかがなものなのか。「人の死」を取引して良いのかという倫理的な問題が挙がってくる。
 
市場が反映したり促進したりするものは何らかの規範であり、市場で取引される善を評価する何らかの方法なのだ。したがってある善を商品化するかどうかを決める際には効率性や分配的正義の先にあるものを考えなくてはならない。(p.118)
 
「人の生命を商品化すれば、人間の規範にどのような影響を与えるのだろうか。」
商品化する前にこのような疑問を投げかけ、「人の生命が取引される市場」が、人々の生命に対する評価にどういった影響を与えるかを考える必要があると筆者は言う。
 
さまざまな財や活動に関して、私が本書で一貫して言おうとしてきたポイントが、ここに表れている。つまり、市場の効率性を増すこと自体が美徳でないということだ。真の問題は、あれやこれやの市場メカニズムを導入することによって、野球の善が増すのか減じるのかにある。これは野球だけだなく、我々が生きる社会についても問うに値する問題なのだ。(p.259)
※第五章で野球のスカイボックス化の影響について考察している。
 
本書において著者は一貫して、
「市場化の取引される財自体に与える影響」を鑑みる必要があると説いている。
その財が市場化によりどれだけ効率的に分配されるとしても、それによってその財が持つ善が失うものについてを議論しなくてはならない。
そして、そのような議論を真剣にしなければ、我々の生活は市場化の波に押し流されてしまうと著者は警告する。