This is Why I Write.

バスケ関連・書評・旅ログを中心に書いています。

【書評】「超」文章法

「超」文章法 野口悠紀雄

 

著者の野口氏は東大、一橋大などで教授を歴任し、本書以外にも沢山の本を書いています。

「「超」整理法」や「「超」勉強法」など、書類整理や勉強法などのノウハウを紹介しており、

本書「「超」文章法」では、

「ためになり、面白く、わかりやすい」

文章を書くためのノウハウを紹介しています。

 

本書の存在は、会社の議事録研修のおすすめ書籍欄で知りました。

仕事や趣味で文章を書く人、レポートを書く必要のある学生にお勧めです。

「ためになり、面白く、わかりやすい」文章を書くためのアイデアが詰まった本です。

そして、本書自体もその「ためになり、面白く、わかりやすい」をしっかりと体現しています。

 

著者によれば、文章というのはメッセージが八割のウエイトを持っています。

起承転結や表現方法などの「how」に当たる部分というのは、

せいぜい二割ほどの重要度しか持っていないといいます。


その文章にメッセージがあるかどうかを判断する指標は

「一言でいえるかどうか」ということだそうだ。

長い文章の中でも、

「つまり君の言いたいことはなにか」

という質問に対して、

そのメッセージを的確に示せること出来なくてはいけないという。

 

このメッセージを考え出すことが最も難しく時間が掛かることなのです。

しかし、著者は「考えなければ、アイディアは生まれない」ならば、その裏命題である「考えれば、アイディアは生まれる」というのも正しい場合が多いと主張しています。

実際、考え始めることにより好奇心が強まり、他人が何とも思わない情報をキャッチ出来るようになって、そしそれが強いメッセージに発展する。考え始めれば、このようなことが起こるのです。これを有名なニュートンの例を使って説明しています。ニュートンは考えていたからこそ、「林檎が木から落ちる」というありふれた現象を、あの「万有引力」という法則と結びつけることが出来たのです。

 

枝葉をとり、幹を見せることが必要だ。

1において個別分を分かりやすくする注意として

「余計なものは全て削れ」と述べた。

同じことが、論述全体についても当てはまる。

伝えたい主要テーマ(つまり)を常に意識し、それを間違いなく、そして印象的に伝えることに専念する。

(中略)  

世界は複雑であり、人間の持ち時間は少ない。

「この世にはいろいろなことがある」と言われても、どうしようもない。すべてをカバーする人は、結局なにもカバーできない。

選択と集中」こそが大事である。

(p.183-184)

本当に伝えたいメッセージを選び、余計なことを削ぎ落とす。

そしてそのメッセージををいかに伝えるかに集中する。

以上で述べたのは、「始めなくてはできない」ということだ。

これは自明である。しかし、真に重要なのは、その裏命題である。

つまり、「始めればできる」のだ。

完全でなくてもよい。

ほんの手がかりでも良い。

「何か」あれば、そこから文章は成長していく。

ゼロと「何か」の違いは甚大なのである。

(中略)

仕事を始めることは、絶大な効果をもたらす。なぜなら、その仕事について考えるようになるからだ。

つまり、仕事の開始とは、そのテーマについて考えることに他ならない。

第1章で、「適切なメッセージを捉えるには考え抜くしかない」と言った。

だから、文章執筆の最重要事たるメッセージでさえ、書き始めてから得られることがある。

(p.230)

 

いつ本当に伝えたいメッセージが明確になるか分かりません。

とりあえず書き始める(考え始める)ことで、それが降臨するのを待つのです。


メッセージが文章の八割のウエイトを占めると言いつつも、

本書には、文章の組み立て方、比喩表現や引用を効果的な使い方など、

メッセージを効果的に伝える為のテクニックも多数紹介されています。

 

書く時の具体的な行動指針として、

①とにかく書き始めること(パソコン時代においては考えながら書くことが出来る)

②伝えたいメッセージを明確にすること

の2つを、私はとにかく意識しようと思います。

 

テクニックを知りたくて手に取りましたが、

本書を読みを終えて、テクニック以外の上記の2つがとりわけ重要だと感じました。


そして、それらは(書く時だけでなく)人生全般に通ずることかもしれません。

言い換えると、
①とにかくやり始める

②自分の意志を明確に伝える
ということになると思います。

 

そのような意味においても、

文章を書くというのは「生きる力をつける」良い練習になるのではないでしょうか。

 

「超」文章法 (中公新書)

「超」文章法 (中公新書)