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【書評】最強のスポーツビジネス

 最強のスポーツビジネス
池田純/スポーツ・グラフィック・ナンバー[編]
 
池田純氏は元横浜DeNAベイスターズ球団社長で経営をV字回復させ、
プロ野球屈指の人気球団に育てた人物である。
現在も日本スポーツ界において多方面で活躍している。
 
池田氏Number Sport Business Collegeという勉強会を主宰している。
スポーツビジネスの第一線で活躍する方々をゲストに招き、
プレゼンテーションや参加者を交えた質疑応答をするといった内容だ。
本書はその勉強会の1年目計18回の内容一冊に凝縮した、
非常に贅沢なものである。
 
この勉強会には、JリーグBリーグの創設者である川淵三郎氏、Bリーグチェアマン大川正明氏、元ハードル選手で多方面で活躍する為末大氏、LEDバスケットコートなど「テクノロジー×スポーツ」を手掛ける斎藤精一氏、実業家の堀江貴文氏などがゲストとして呼ばれている。
斎藤氏やホリエモンなど元々スポーツの外にいた人も話していて、その知見はスポーツビジネスに新鮮な風を吹き込んでいる。
スポーツ業界全体がファンを惹きつけ、それを一過性のものにしない為にはどうすれば良いのか。このような疑問に対して本書はヒントを与えてくれる。
 
本書を読んで、とりわけラグビー界の本気度の高さを感じた。
2015年のワールドカップで南アフリカに勝利し、まさに「軌跡」を起こしたラグビー日本代表
ワールドカップまでの4年間、実に合計500日を超える合宿を行ったという。
あの歴史的な勝利は、日本代表チームの長期間に及ぶ準備と努力の結晶だった訳だ。
勝利もあって、日本代表はサンウルブズとして南半球のトップリーグのスーパーラグビーに参戦することが出来た。
裏で厳しい交渉を続けた上野氏(第9回のゲスト)の話は感動すら覚えた。
 
各ゲストスピーカーは、これからのスポーツビジネスを変えていく為には、スポーツだけのこと考えているだけではダメだと言う。
また、何人かのスピーカーは理想として、リピーター率90%を誇る東京ディズニーランドを挙げている。
川淵氏は日本国内でも他分野には学ぶべき成功事例沢山あり、スポーツ人材はもっと勉強しないといけない言っている。
スポーツビジネスに関わる人間(選手・スタッフ含め)はコンテンツとしての価値をどのように高めていくかを日々考えるべきだ。
初めて見に来た人に「また見に来たい!」と思わせるトリガーにもっと敏感になる必要がある。
 
著者の池田氏は以下のように言う。
スポーツの場合、その競技だけをやっていては盛り上がらない。サッカーのことだけを考えて、サッカーだけを見せているとダメ。選手も「サッカーが僕の仕事です」って、サッカーしかやらない現状がある。サッカーというコンテンツを生かしながら、どうやって地域を巻き込んでいくか、どうやったらスタジアムに来て食事を楽しんでくれるか、どうやったら週末に家族で来てくれるかを考える必要があります。(p.105)
 
本書は新書ながら現在のスポーツビジネスが抱える課題とリーダーたちのビジョンを網羅できます。
スポーツをやっている人には是非読んで欲しいです。
そして、どうすれば競技を盛り上げていけるかを一緒に考えましょう。
最強のスポーツビジネス Number Sports Business College講義録 (文春新書)

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