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【書評】若い読者のための経済学史

本書は古代ギリシャ時代から現代まで、いかにして経済学が発展してきたかを、理論を生み出した思想家・経済学者とともに説明する。一通り読むことで、世界の発展に貢献してきた経済学の理論を復習することができる。

 

経済学って何だろう?という人から、かつて経済学を学びもう一度振り返りたい人まで、多くの人が楽しむことが出来る一冊だと思う。

 

40章構成になっており、各章はそれぞれの経済学者の考えがコンパクトにまとめられている。大学院等で経済学を修めている人にとってはやや物足りないかもしれないが、学部で経済学を専攻していた僕にはちょうど良かった。登場する経済学者がどのようにして、それぞれの考えを発展させ、世の中に広めていったのかに興味を持った。この本で得た知識を元に、原著にも当たってみたいと思った。

 

現代の経済学のイメージは、難しい数理や金融などかもしれない。しかし歴史を振り返ると、経済学者達はその時代の社会が抱える問題を解決するための理論を一所懸命考えていた。世の中の問題は一つではないし、時代によっても違う。だから、矛盾するような経済理論が存在してしまう。でも、その矛盾する経済理論はどれも何らかの形で世の中に貢献してきたのだ。 本書は以下のようなメッセージで締めくくられている。

 

歴史上の思想家が示した様々な答えをよく理解することによって、私たちは触発され、極端な不平等、金融危機地球温暖化といった、今日の経済問題に取り組むために必要な新たな考え方を導きだすことができるだろう。問題を正しく理解すれば、より多くの人が豊かな生活を送るチャンスを手にし、そうでなければ、多くの人が苦しむことになる。必要な食べ物や医薬品を手に入れられなくて、死ぬ人もいるかもしれない。これは、専門家である経済学者だけでなく、私たち全員の課題である。

 

これが著者の考える経済学史を学ぶ理由だ。

 

現代の経済学者だけでなく、皆が彼ら・彼女ら考えを学んで活かすことで、それぞれの世界を少しだけよく出来る。そして、それが少しずつ積み重なって、世界が良くなってゆく。

 

勉強になるし、面白いので一読をオススメする。

 

 

若い読者のための経済学史 (Yale University Press Little Histories)

若い読者のための経済学史 (Yale University Press Little Histories)